「この人は私に興味があるのだろうか。それとも、私のプロフィールに興味があるのだろうか。」
最近、そんなことを考える出来事が続いた。
そして、私はあることに気づいた。
それは、人には大きく分けて二つのコミュニケーションのスタイルがあるのではないか、ということだ。
一つは「プロフィールを見る人」。
もう一つは「人を見る人」。
もちろん、これは白黒はっきり分かれる話ではない。
誰でも両方の側面を持っている。
でも、初対面や久しぶりの再会では、その人がどちらに重きを置いているかが意外とはっきり表れる。
私が違和感を覚えた質問
最近、初対面の人や十数年ぶりに会った人から、こんな質問を続けて受けた。
- 「貯金はいくらあるの?」
- 「都市部で働いていたんだから、お給料は良かったでしょう。どれくらい稼いでいたの?」
- 「彼氏とはいつ別れたの?」
- 「どうして都市部からこんな地方へ引っ越してきたの?」
- 「どうして今までやってきた専門職を続けないの?」
- 「離婚したから戻ってきたの?」
もちろん、こうした質問をすること自体が悪いと言いたいわけではない。
私が違和感を覚えたのは、その答えの先に興味が続かなかったことだ。
例えば、
「どうして地方へ引っ越してきたの?」
と聞かれたので、
「自然が多く、こういう環境で暮らしてみたいと思ったからです。」
と答えた。
でも、
「どんな自然が好きなの?」
「暮らしてみて何か発見はあった?」
「以前の暮らしと比べて何が変わった?」
という会話にはならなかった。
話題はすぐに、
「彼氏は?」
「いつ別れたの?」
「貯金はいくらあるの?」
という質問へ移っていった。
そのとき私は、少し寂しい気持ちになった。
私という人間に興味があるというより、私のプロフィールを埋めるための情報を集めているように感じたからだ。
プロフィールを見る人
私は、こういう人を「プロフィールを見る人」と呼んでいる。
プロフィールを見る人は、
年齢、仕事、年収、資産、結婚歴、恋人の有無など、分かりやすい情報を集める。
もちろん、それらはその人を知るための一つの手がかりではある。
でも、それだけでは、その人の人生は見えてこない。
人を見る人
一方で、「人を見る人」は少し違う質問をする。
「どうしてその道を選んだの?」
「その経験で何を感じたの?」
「一番印象に残っている出来事は?」
「今、どんなことに挑戦したいと思っているの?」
興味が向いているのは、肩書きや数字ではない。
その人が歩いてきた道のりや、その経験がその人をどう形づくったのかだ。
私は、そんな会話の方がずっと面白いと思う。
プロフィールは、その人を説明する一部ではある。
でも、その人そのものではない。
だから私は、プロフィールよりも、その人の物語を知りたい。
その方が、人と話すことはずっと豊かで、ずっと楽しいからだ。
コミュニケーション研究では、相手の答えを受けて質問を深める「フォローアップ質問」は、
相手に「自分に関心を持ってもらえている」という印象を与えやすいとされている。
一方で、事実確認だけが続く会話は、情報収集や査定を受けているように感じる人もいる。
| プロフィールを見る質問 | 人を見る質問 |
|---|---|
| 仕事は何ですか? | どうしてその仕事を選んだのですか? |
| 年収はいくら? | 仕事で一番楽しかった経験は? |
| 結婚していますか? | パートナーとはどんな時間を大切にしていますか? |
| 彼氏といつ別れたの? | その経験から何を学びましたか? |
| どこに住んでいるの? | その土地のどこに魅力を感じていますか? |
私が心地よいと感じる会話
私は、人の人生に興味がある。
どんな仕事をしてきたのか。
なぜその選択をしたのか。
どんな失敗をしてきたのか。
どんな夢を持っているのか。
そういう話を聞くと、その人の顔が少しずつ立体的に見えてくる。
逆に、プロフィールだけを集めても、その人のことを知った気にはならない。
もちろんプロフィールも必要
婚活なら年齢や仕事は大切だ。
採用面接なら職歴も必要だろう。
だからプロフィールが不要と言いたいわけではない。
ただ、その先へ進めるかどうか。
そこに、その人への本当の興味が表れるのではないだろうか。
私が出会いたい人
私は、肩書きではなく、その人の物語に興味を持つ人と出会いたい。
年収や職業を知る前に、
「この人はどんな人生を歩いてきたのだろう。」
そんな好奇心を持てる人と話す時間は、不思議と全く疲れない。
人はプロフィールでは語り尽くせない。
人生は履歴書より、ずっと面白い。
だから私は今日も、
「この人は何をしてきた人なんだろう」ではなく、
「この人は、どんな人生を歩いてきた人なんだろう」
という問いを持ち続けたいと思う。
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