婚活アプリで2人に会ってわかった。私は「条件のいい人」ではなく「対等でいられる人」を探している|人生を組み替える|婚活編⑧

人生を組み替える

人生を組み替える|婚活編 第8話


40代半ばになって、都会から地方都市に引っ越してきた。

せっかく新しい土地で暮らし始めたのだから、これから先、一緒に時間を過ごせる人がいたらいいなと思い、婚活アプリ(マチアプ)を始めた。

とはいっても、「どうしても結婚したい」というわけではない。

一人でも生きていける。

でも、一人で生きていけることと、誰かと一緒にいたくないことは別だ。

一緒にご飯を食べたり、どこかへ出かけたり、くだらない話をしたり。

一人でもできることを、二人でやったら少し楽しい。

そんな相手がいたらいいな、くらいの気持ちだった。

そして、実際に2人の男性と会ってみた。

会ってみると、プロフィールを眺めているだけでは分からなかったことが、いろいろと見えてきた。

そして同時に、**自分がどんな人を求めているのかより、「どんな関係なら心地いいのか」**が少しずつ分かってきた。


「いい人」と「付き合いたい人」は違う

マチアプでは、プロフィールを見て、写真を見て、メッセージをして、それから会う。

プロフィール上では、条件もそれなりに合っている。

会話もできる。

感じも悪くない。

だから会ってみる。

でも、実際に会ってみると、

「この人はいい人だと思う。でも、付き合いたいかと言われると違う」

ということがある。

話しているときのテンポ。

こちらの話への関心。

質問をしてくれるか。

会話のキャッチボールがあるか。

こちらばかりが相手に合わせることにならないか。

そういうものは、プロフィールには書かれていない。

そして何より気づいたのが、

「その人といるとき、自分がどんな自分になるのか」

ということだった。

相手に合わせて愛想よくしている自分なのか。

相手の話をひたすら聞く側になっている自分なのか。

それとも、特に頑張らなくても自然に話せている自分なのか。

「いい人かどうか」と「この人と一緒にいたいか」は、別の話だった。

待ち合わせの時点で、もうプロフィール写真では分からない

実際に会ってみて、メッセージより圧倒的に情報量が多いと思った理由は、会話が始まってからだけではない。

待ち合わせの時点ですでに、プロフィール写真では分からないことがたくさんある。

待ち合わせ場所に着いて、相手を探す。

「あれ……たぶんこの人かな?」

プロフィール写真と見比べる。

「でも、体型も違う気がするし、見た感じもなんか違う……」

それでも、相手が「○色の服を着て行きます」と言っていた。

その色の服を着ている人は、どう見てもこの人しかいない。

「……たぶん、この人だよね?」

となって、こちらから声をかける。

そんなこともよくある。

そして実際に近づいてみると、

「ああ、やっぱり写真と印象が違うな」

となる。

実際に会ってみると、写真では分からなかった体型や姿勢、髪型、服装、表情、そして全体の雰囲気が一気に入ってくる。

「ああ、写真で受けた印象と、実際に会った印象ってこんなに違うんだ」

と思う。

もちろん、これは男性だけの話ではない。私だって写真と実物が完全に同じなわけではない。

でも、実物を目の前にすると、プロフィール写真一枚から想像していた人物像が、一瞬で上書きされる。

メッセージでは、こんなことは全然分からない。

写真では分からなかった体型。

髪の感じ。

姿勢。

服装。

歩き方。

表情。

香り。

そして、全体から出ている雰囲気。

それらが、数秒のうちに一気に入ってくる。

メッセージでは、こんなことは当然分からない。

文章なら、相手が何を考えているのかを想像できる。

写真なら、顔を見ることができる。

でも、実物の人間から入ってくる情報量は、それとは比較にならない。

だから、会って最初の10秒くらいで、

「写真よりいいな」

と思うこともあれば、

「……うーん、やっぱり違うな」

と思うこともある。

その時点で、何週間もメッセージを続けていた相手について、新しい情報が一気に増える。

今回実際に会ってみて、

「メッセージを100往復するより、10秒会ったほうが分かることが多い」

と本気で思った。

だから、これからはメッセージを長く続けすぎないことにした。

ある程度話して、変な違和感がなければ、早めに会ってみる。

会ってみて「違う」と思えば、それでいい。

むしろ、会わないまま想像で相手を作り上げてしまうほうが、時間がもったいない。

マチアプでは、会うこと自体が、相手を知るための一番大きな情報収集なのだと思う。

収入の差は、数字以上に生活の差として現れる

2人と実際に会ってみて、意外とはっきり感じたことがある。

それは、収入の差って、単純に「毎年いくら稼いでいるか」という数字だけの問題ではないのかもしれない、ということだった。

生活水準や給与水準が数百万円違うと、普段の生活ではあまり接点のない人と話しているような感覚になる。

休日の過ごし方。

お金の使い方。

仕事やお金に対する考え方。

住んでいる場所。

付き合っている人たち。

これまで経験してきたこと。

そういうものが、少しずつ違っている。

もちろん、年収が高いから人間的に優れているという話ではない。

逆に、収入が低いから価値観が合わないとも限らない。

ただ、自分がこれまでどんな環境で生活してきたかを考えると、あまりにも生活の前提が違う人とは、やはり会話や感覚が噛み合いにくい。

今回実際に会ってみて、

「ああ、私はこのくらいの生活感覚の人といるほうが自然なんだ」

と分かった。

だから、私にとって相手の収入は「お金持ちと付き合いたい」という意味ではない。

自分と近い生活感覚を持っているかどうかを見るための、一つの目安なのだと思う。

そして、それは実際に会ってみないと分からない。

プロフィールに書かれた年収だけでは、その人がどんな生活をしているのかまでは見えてこないからだ。

今回会った人は、市内なら車は必要ないという理由で、十数年間車を持っていなかった。
レンタカーを借りて遠出することもほとんどなく、週2日の休日も家で過ごすことが多いという。

それを聞いて、私は少し考え込んだ。

車を持っていないことが嫌なのではない。

「休日にどこかへ行ってみよう」という発想そのものが、私とは違うのかもしれない。

私にとっては、知らない場所へ行くことや、遠くまで出かけることも生活の楽しみの一つだ。

だから、こういう違いは、収入という数字以上に、実際の生活になったときに大きく効いてくるのかもしれない。

同じ40代でも、「年齢感」はかなり違う

そして、アプリを見ていてもう一つ思ったことがある。

同じ年齢でも、見た目の印象はかなり違う。

45歳なら45歳。

それでも、30代くらいに見える人もいれば、50代後半に見える人もいる。

「同い年なのに、ずいぶん印象が違うな」

と思うこともある。

もちろん、若く見えることが絶対にいいわけではない。
年齢を重ねたからこそ出る魅力もあるし、若く見えることだけが人の価値を決めるわけでもない。

それでも、若々しく見えることには、一つの価値があると思う。

同じ45歳でも、清潔感があって、体型や服装に気を配っていて、表情や姿勢が若々しい人と、そうでない人では、受ける印象がかなり違う。

それは「若いほうが偉い」という話ではなく、自分をどう扱っているかが外見に表れているということなのかもしれない。

私が見ているのは、顔の造作だけではなく、髪型、服装、体型、姿勢、表情、写真の撮り方まで含めた「雰囲気」なのだと思う。

そして、写真もなかなか難しい。

顔のドアップ。

しかも、ジョニー・デップを意識しているようなキメ顔。

本人としては「渋くてかっこいい俺」なのかもしれない。

でも、見る側には肌の質感やシミまで高解像度で届いてしまう。

「もう少し引きで撮ってくれたら、体型ももっとよく分かるのにな」

と思うこともある。

そこで気づいた。

私は、若い男性を探しているわけではない。

ただ、

「この人と並んで歩いている自分を想像できるか」

は、かなり大事なのだ。

相手を男性として立てるために、自分が「若い女性」や「可愛らしい女性」を演じなければならないような感じがすると、どうしても違和感がある。

私は、恋人というより「おじさんを喜ばせる女性」になりたいわけではない。

対等な男女として、一緒に歩きたい。


35いいねあっても、会いたい人が35人いるわけではない

現在、あるマチアプでは35いいねがついている。

始めたばかりなので数字だけを見れば、悪くないのだと思う。

でも、35人からいいねをもらったからといって、35人と会いたいわけではない。

大事なのは、

「その中に、実際に会ってみたい人が何人いるか」

だ。

そして、私はこれまで、自分からあまりいいねをしてこなかった。

「いい人がいたら向こうから来てくれるだろう」と、どこかで待っていたのだと思う。

でも、それでは自分が出会える人の範囲も狭くなる。

だから、今度は別のアプリも試してみることにした。

ただ、人気会員になるために、興味のない人へ片っ端からいいねするつもりはない。

「この人なら、一度会ってみてもいい」

と思える人には、こちらからもいいねしてみる。

いいねの数を増やすことが目的ではない。

自分が会いたいと思える人との接点を、自分から増やしてみる。

今回は、そんなやり方を試してみようと思う。


私は「結婚相手」を探しているわけではない

ここは、マチアプを始めてから自分でも少し面白いと思ったところだ。

私は、結婚したいわけではない。

でも、結婚しないと決めているわけでもない。

正確に言えば、

「この人となら結婚してもいい」と思える人が現れたら、そのときに考える。

という感じだ。

結婚という制度そのものにこだわっているわけではない。

だから、「結婚すること」をゴールにして相手を探す必要もないと思っている。

この人と一緒にいると楽しい。

この人となら、自分らしくいられる。

この人となら、お互いの人生を尊重しながら一緒にいられる。

そんな人と出会って、その先に結婚という選択肢が出てきたら、そのとき考えればいい。

だから今の私が探しているのは、厳密には「夫候補」ではない。

一緒に人生を楽しめる恋人。

まずは、そこからでいいと思っている。


条件はある。でも、条件だけでは選べない

マッチングアプリを見ていると、

「身長○cm以上」

「年収○万円以上」

「一人暮らし」

「非喫煙者」

など、かなり具体的な条件を書いている人もいる。

それ自体は悪いことではない。

むしろ、自分が譲れない条件が分かっているなら、最初からある程度絞ったほうがお互いのためだと思う。

私にも条件はある。

年収も気になる。

生活面での自立も気になる。

見た目も、まったく気にしないわけではない。

でも、それらを全部プロフィールに並べてしまうと、自分でも少し違う気がする。

私が本当に求めているのは、

「条件を満たした男性」ではなく、「対等な関係を築ける男性」

だからだ。

年収や生活スタイルは、アプリの検索条件である程度確認できる。

でも、対等でいられるかどうかは、実際に会ってみないと分からない。

だから条件は入口で使う。

そして、最後は会って判断する。

そのほうが、今の自分には合っている。


今月から忙しくなる。だから、早めに会う

もう一つ、今回の婚活で変えてみようと思っていることがある。

メッセージを長く続けすぎないこと。

今月から生活が少し忙しくなる。

だから、何週間もアプリの中でメッセージを続けて、期待値だけを上げてから会う、というやり方はあまり効率がよくない。

もちろん、いきなり会うわけではない。

少し話してみる。

プロフィールだけでは分からない部分を確認する。

そして、

「もう少し話してみたい」

と思えたら、早めにお茶やご飯に行ってみる。

実際に会えば、短時間でも分かることは多い。

会話のキャッチボール。

相手との距離感。

こちらへの関心。

お店の人への態度。

そして、自分の身体感覚がどう感じるか。

「また会いたい」と思うのか。

それとも、

「悪い人ではないけれど、疲れた」

と思うのか。

この違いは、メッセージを100往復しても分からないことがある。

だから、これからは早めに一度会ってみる。

私にとって婚活は、メッセージの中で相手を見極めることではなく、実際に会って、自分との相性を確かめることなのだと思う。


婚活をすると、「どんな人がいいか」より「どんな関係がいいか」が分かってくる

婚活を始める前は、

「どんな男性がいいんだろう」

と考えていた。

年齢は?

年収は?

仕事は?

趣味は?

身長は?

見た目は?

もちろん、そういう条件も大切だ。

でも、実際に人と会ってみると、それ以上に大事なことが見えてくる。

その人といるとき、自分はどうなるのか。

無理に相手を喜ばせようとしなくていいか。

相手の機嫌を取らなくていいか。

自分ばかりが聞き役にならなくていいか。

経済的にも精神的にも、一方的に支える側にならなくていいか。

そして、

「この人といると、自分の神経が穏やかでワクワクして静かになるか」

ということ。

たぶん、私が探しているのは「条件のいい男性」ではない。

もちろん条件はある。

でも、条件を全部満たしていても、一緒にいて疲れるなら意味がない。

逆に、完璧な条件ではなくても、

「この人とは対等でいられる」

「自分の生活を守りながら付き合える」

「一緒にいる時間が楽しい」

と思えるなら、その人には会ってみたい。

40代半ばの婚活は、若い頃のように「結婚できる相手を探す」だけではないのかもしれない。

これまで生きてきて、自分が何を大切にしているのかが分かってきたからこそ、

「誰と結婚するか」より先に、「誰と、どんな関係を築きたいのか」

を考える。

今の私は、そんな婚活をしている。

メッセージを100往復するより、最初の10秒で分かることがある

今回、実際に会ってみて改めて思った。

メッセージのやり取りより、実際に会ったほうが圧倒的に情報量が多い。

大げさではなく、私の場合は100倍くらい違った。

アプリでは、何日もメッセージをしていた。

仕事のこと。

趣味のこと。

休日の過ごし方。

好きな食べ物。

そんな話をして、「まあ、感じのいい人だな」と思って会う。

でも、実際に会ってみると――

最初の10秒くらいで、メッセージでは分からなかったことが一気に入ってくる。

写真から受ける印象と実物の違い。

声の感じ。

話すスピード。

立ち姿。

距離感。

表情。

目線。

服装。

そして、こちらを見たときの雰囲気。

さらに少し話せば、会話のテンポや、こちらへの関心の向け方も分かる。

「この人といると、私はどうなるんだろう」

ということまで、意外と早い段階で分かってしまう。

逆に、メッセージではいくらでも感じよくやり取りできる。

文章なら、考えてから返信できる。

自分を見せる速度も調整できる。

でも、対面ではそうはいかない。

だから今回、実際に会ってみて、

「これ、何週間もメッセージする必要ある?」

と思った。

もちろん最低限のやり取りは必要だと思う。

いきなり会うのではなく、ある程度話して、変な違和感がないか確認する。

でも、そこから先は会ったほうが早い。

メッセージを100往復して「この人、合うかも」と思ってから会うより、

少し話して、

「一度会ってみてもいいな」

と思ったところで会ってしまう。

そのほうが、私にはずっと合理的だった。

婚活アプリでは、つい「メッセージを重ねて相手を見極める」ことに意識が向く。

でも、実際には逆なのかもしれない。

メッセージは、会うための情報収集。
会うことそのものが、相手を知るための本番。

今回の経験で、私はそう思うようになった。


うまくいかない理由を、自分のせいにするのはもうやめようと思った。

ところが、婚活アプリを変えてみたら、思っていた以上に状況が変わってしまった。

同じ私なのに、なぜ?

その戸惑いと、そこで少し考えたことを書いてみました。


「人生を組み替える」シリーズ|全話はこちら
仕事、暮らし、学び方――40代、これからの人生を自分で選び直していく。


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