あるサービスを長く利用していて、条件を満たすともらえる特典がある。
今回、私はその特典を使って、以前から気になっていた場所を予約しようと思った。
ところが、目当てにしていた場所は、現在はそのサービスから離れていた。
そこで問い合わせてみると、最初の場所では、
「現在は所属していませんが、条件を満たしていれば利用できますよ」
と教えてもらった。
私はそれを聞いて、
「所属をやめた場所でも、以前から利用していた人なら特典を使えるんだ」
と理解した。
特別に親切にしてもらった、という認識ではなかった。
単純に、そういう仕組みなのだと思った。
ただ、希望していた日程では利用できる日がほとんどなかったため、もう一つ気になっていた場所にも電話をしてみた。
そこで最初に言われたのは、
「申し訳ありません。現在はそのサービスを退会しておりますので、ご利用いただけません」
という言葉だった。
それなら仕方がない。
「そうですか。残念です」
で終わる話だった。
ところが、その後の話が、私の想像していたものとは違った。
以前の経緯について説明を受け、最後には「迷惑なので利用しないでほしい」という趣旨の言葉まで言われた。
電話を切ったあと、私はしばらくその言葉を引きずった。
私は、何か悪いことをしたのだろうか
私は、ただ問い合わせただけだった。
利用できるのか確認したかっただけ。
無理なら、もちろん諦めるつもりだった。
それなのに、まるでこちらが何か迷惑なことをしたかのような言葉を向けられたことが、どうしても腑に落ちなかった。
「私は何か悪いことをしたのだろうか」
「なぜ、あんな言い方をされたのだろう」
そんなことを、電話が終わったあとも何度も考えてしまった。
そこで、ふと思った。
私は、嫌なことを引きずるタイプなんだ。
「気にしすぎ」と片付けなくていい
これまで私は、嫌なことを何度も思い出してしまうと、
「気にしすぎなんだろうな」
「もっと気にしない性格にならないと」
と思っていた。
でも、今回少し考え方が変わった。
私は傷ついたのだ。
まず、それを認めていいのではないか。
相手には相手の事情があったのかもしれない。
私には分からない背景もあるだろう。
でも、
「相手には事情がある」と「私は傷ついた」は両立する。
相手を理解できなくてもいい。
自分の感情まで否定する必要もない。
「あの言い方は嫌だったな」
「私はあれで傷ついたんだな」
それでいい。
でも、傷ついたままでいる必要もない
一方で、傷ついたことを認めることと、その出来事をずっと抱えていることは違う。
電話は数分だった。
なのに、その後何時間も、あるいは何日もその人の言葉について考え続けたら、私は自分の時間をその人に渡し続けることになる。
それは、なんだかもったいない。
相手の言葉は変えられない。
相手の考え方も変えられない。
だったら、私にできるのは、
「私は傷ついた。でも、もうこの出来事に私の時間を使わせない」
と決めることなのかもしれない。
人から受け取った言葉を、全部自分の中に入れなくていい
今回、私が一番覚えておきたいと思ったのはこれだ。
人から投げられた言葉を、全部まともに受け取る必要はない。
相手の機嫌。
相手の事情。
相手が抱えている過去の出来事。
相手と誰かとの関係。
それらは、私の責任ではない。
私はただ、普通に問い合わせただけだった。
だったら、
「あなたにとってはそういう事情があるんですね。でも、それは私の価値とは関係のないことです」
と、心の中で線を引いていい。
嫌なことより、親切だったことを覚えておきたい
今回、もう一つ気づいたことがある。
私は嫌な言葉ほど、強く覚えている。
でも、その一方で、別の場所では普通に丁寧に対応してもらっていた。
条件についてもきちんと説明してくれた。
そして、こちらの希望にできる範囲で応えようとしてくれた。
本当は、そういうことも同じくらい覚えておきたい。
人から雑に扱われた経験は、心に残る。
でも、人から親切にされた経験も、本当はちゃんと心に残していい。
だから今回は、嫌な電話のことだけを最後の記憶にしないことにした。
「親切に対応してくれた人もいた」
ということも、一緒に覚えておく。
40代からの人生で、覚えておきたいこと
これから先も、たぶん私は傷つく。
仕事でも、人間関係でも、知らない人とのちょっとしたやり取りでも、
「なんでそんな言い方をするんだろう」
と思うことはあるだろう。
私はたぶん、これからも引きずる。
それを完全になくすことはできないかもしれない。
でも、
「私は傷ついた」
と認めること。
そして、
「でも、この出来事にこれ以上、私の時間を渡さない」
と決めること。
この二つは、これから覚えておきたい。
傷つかない人になる必要はない。
傷ついたあとに、自分のところへ戻ってこられる人になればいい。
今は、そんなふうに思っている。
婚活をしていると、相手の言葉や態度に「私はどうしてこんなに引っかかるんだろう」と考えることがある。
最近、婚活以外の場でも同じことが起きて、自分には「人から向けられた感情を引きずりやすい」という傾向があることに気づいた。
人生を変えるのは、大きな決断だけではない。
こういう小さな出来事から「自分はどう生きたいのか」に気づくことも、
人生を組み替える一歩なのかもしれない。
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仕事、暮らし、学び方――40代、これからの人生を自分で選び直していく。
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