「白黒つけたい人」と「グレーのまま考えられる人」は何が違うのか|40代半ばの婚活で気づいたこと|人生を組み替える|婚活編④

人生を組み替える

人生を組み替える|婚活編 第4話

婚活をしていると、ときどき不思議に思う。

まだ一度しか会っていないのに、

「付き合えると思いますか?」

「結婚を考えられますか?」

と、早い段階で答えを求める人がいる。

もちろん、相手の気持ちを知りたいのは自然なことだ。

私だって気になる。

でも最近の私は、

「まだ分からない」

という状態を、以前ほど不安に感じなくなった。

むしろ、

「まだ分からないなら、もう少し見てみればいい」

と思う。

そして婚活をしていると、
「すぐに白黒をつけたい人」と「グレーのまま保持できる人」には、
少し違いがあるのではないかと思うようになった。


「好き」か「嫌い」かを、すぐに決めたくなる

人間関係には、どうしても白黒をつけたくなる瞬間がある。

好きなのか、嫌いなのか。

付き合いたいのか、付き合いたくないのか。

結婚したいのか、したくないのか。

婚活では特に、プロフィールを見て「あり」「なし」。

メッセージをして「会いたい」「会いたくない」。

一度会って「次も会う」「もう会わない」。

そんなふうに、短時間で判断することを求められる。

でも、人間関係って、本当にそんなに早く答えが出るものなのだろうか。

一度会っただけでは分からないことも多い。

相手が緊張しているかもしれない。

こちらも緊張している。

その日の体調や気分だってある。

だから私は、

「まだ分からない」

という答えを、悪いものだと思わなくなった。


「まだ分からない」は、優柔不断とは違う

「決められない」と「今は決めない」は、似ているようで違う。

優柔不断は、

「決めるのが怖くて決められない」

状態かもしれない。

でも、

「今はまだ判断材料が足りないから決めない」

というのは、一つの選択だと思う。

一度しか会っていない人について、

「この人と結婚したいか」

なんて、そもそも分からなくて当然だ。

だから、

「もう一度会ってみる」

「もう少し話してみる」

という余白を持っていてもいい。

グレーでいるというのは、何も考えていないことではない。

むしろ、

答えを出す前に、もう少し相手を見るということ。


白黒を急ぐのは、「不確実さ」が苦しいからかもしれない

では、なぜ人は白黒をつけたくなるのだろう。

私は最近、

「答えが欲しい」というより、「分からない状態がしんどい」からなのではないか

と思う。

相手が自分をどう思っているのか分からない。

この関係がどうなるのか分からない。

結婚につながるのか分からない。

そういう状態は落ち着かない。

だったら、

「脈あり」
「脈なし」

と決めてしまったほうが楽だ。

「この人はいい人」
「この人はダメ」

と分類してしまえば、それ以上考えなくて済む。

でも、人間はそんなに単純ではない。

優しいけれど、距離感が近い。

話は面白いけれど、少し疲れる。

誠実だけれど、価値観が合わない。

そんなことは普通にある。

だから、

「いい人か、悪い人か」ではなく、「私はこの人といるとどう感じるのか」

くらいの解像度で見ていたほうが、現実に近い。


「いい人なのに疲れる」ということもある

今回の婚活で、私はまさにこれを経験した。

相手が悪い人だったわけではない。

むしろ、よく話してくれた。

自分のこともたくさん話してくれた。

でも、私は一緒にいると疲れた。

以前なら、

「こんなに話してくれるんだから、いい人なのでは?」

と、自分の中で答えを合わせようとしていたかもしれない。

でも今回は、

「いい人かもしれない。でも、私には合わないかもしれない」

という状態を、そのまま置いておくことができた。

相手を悪者にしなくてもいい。

自分が相手を嫌いになる必要もない。

ただ、

「私はこの人といると疲れる」

という自分の感覚を、大切にすればいい。


相手を「悪い人」にしなくても、離れていい

白黒思考になっていると、

「この人とは合わない」

と判断するために、

「この人はダメな人だ」

というところまで行ってしまうことがある。

でも、本当はそんな必要はない。

相手が悪い人だから離れる。

相手に問題があるから断る。

そうでなくてもいい。

「この人と私は合わない」

だけで十分だ。

逆に、

「この人は完璧だから付き合う」

必要もない。

人間関係は、

「100点だから残す」

「0点だから切る」

というものではないのだと思う。


ただし、グレーにしてはいけないこともある

もちろん、何でもグレーにしていいわけではない。

暴言を吐く。

約束を守らない。

嫌だと言っていることを繰り返す。

こちらの意思を無視する。

境界線を越えてくる。

そういうことまで、

「まだ分からないから」

と保留する必要はない。

私は、

「人間そのものについてはグレーでいていい。でも、自分の安全や尊厳については、グレーにしなくていい」

と思っている。

ここは、はっきりしていていい。


「まだ分からない」を抱えたまま、生きていく

考えてみれば、人生そのものがグレーだらけだ。

これから何の仕事をしているか分からない。

どこに住んでいるか分からない。

誰と一緒にいるかも分からない。

10年後、自分が何をしているかだって分からない。

それなのに、

「結婚だけは今すぐ答えを出さなければ」

と考える必要はないのかもしれない。

分からない。

だから、考える。

見てみる。

やってみる。

違ったら修正する。

その繰り返しでいい。


白黒をつけることより、自分の感覚を失わない

婚活をしていると、

「この人はありですか?」

「なしですか?」

と、つい二択で考えてしまう。

でも最近の私は、その前に、

「私はこの人といると、どう感じる?」

と考えるようになった。

安心する?

疲れる?

もっと話したくなる?

早く帰りたくなる?

自然体でいられる?

相手の機嫌を気にしてしまう?

そういう小さな感覚を一つずつ拾っていく。

答えは、その先にある。

だから今は、

「この人は結婚相手としてありか、なしか」

を急いで決めるより、

「もう一度会ってみたいと思うか」

くらいで十分なのだと思っている。


グレーのまま考えられることは、自由なのかもしれない

白黒を急がないというのは、何でも曖昧にすることではない。

むしろ、

「今は決めない」ということを、自分で決めること。

なのだと思う。

「まだ分からない」

と言える。

「もう少し見てみる」

と言える。

「今は判断しない」

と言える。

そして、必要なときが来たら、

「やっぱり違う」

「やっぱり、この人がいい」

と決める。

その余白を持てることは、案外大きな自由なのかもしれない。

婚活を始めて、私は「相手を探している」と思っていた。

でも実際には、

自分がどんな人間なのかを知る時間にもなっている。

何が嫌なのか。

何が心地いいのか。

どんな距離感なら続けられるのか。

どんな人といると、自分の神経が静かになるのか。

少しずつ分かってきた。

白黒をつけることが悪いわけではない。

早く決めることが悪いわけでもない。

ただ私は、

「まだ分からない」という状態を、怖がらずに持っていられる人でいたい。

すぐに答えを出すのではなく、

もう少し見てみる。

もう少し話してみる。

もう少し自分の感覚を観察してみる。

そして、答えが見えてきたときに決める。

それくらいの速度でいい。

人生も、婚活も。

全部を白黒にしなくてもいい。

グレーの中にいる時間にも、ちゃんと意味がある。


そして、もう一つ気づいたことがある。

婚活で出会ったある男性は、とにかくよくしゃべった。

次から次へと話題が出てくる。

だから、会った直後は、

「今日はいっぱい話したな」

と思っていた。

でも、家に帰ってから振り返ってみると、不思議だった。

あれだけ話したのに、私は彼のことをあまり知った気がしなかった。

そして、自分のことを理解してもらえた感じもしなかった。

そこで、もう一つのことに気づいた。

「よくしゃべること」と「会話が深まること」は、どうやら別なのだ。

会話の量が多ければ、相手との距離が縮まるわけではない。

むしろ、話題が次々に飛んでいくことで、いつまで経っても一つの話を一緒に掘り下げられないこともある。

私が欲しかったのは、たくさん話してくれる人ではなく、

「私の話を受け取って、一緒に考えてくれる人」

だったのかもしれない。

では、なぜ私は「あれだけ話したのに、会話が深まらなかった」と感じたのだろう。

次の記事では、今回の出会いをきっかけに考えた、「よくしゃべる人」と「会話が深い人」の違いについて書いてみたい。


「人生を組み替える」シリーズ|全話はこちら
仕事、暮らし、学び方――40代、これからの人生を自分で選び直していく。


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