移住の選択と思考シリーズ 第13回
退職して2か月、
45歳から、人生を再設計する。
「退職したら、もっと自由になれる」と思っていた
会社員だった頃は、毎朝決まった時間に起き、決まった場所へ向かう生活を送っていた。
「退職したら、時間に追われず、自分のやりたいことを思い切りできる。」
そんなイメージを抱いていた気がする。
実際、朝は目覚ましに急かされることもない。
軽く体を動かし、豆からコーヒーを挽いてゆっくり淹れ、朝ドラを見ながら一日を始める。
そんな時間はとても贅沢で、会社員時代にはなかなか味わえなかった。
でも、そのあとにふと考える。
「今日は何をしよう。」
やるべきことはあるのに、以前より時間があるからこそ、なかなか動き出せない日がある。
地方都市へ移住して感じた喪失感
長年暮らした土地を離れ、地方都市で暮らし始めた。
自分で選んだ移住だった。
だから後悔しているわけではない。
それでも、見慣れた街並みや、自然と足が向いていたお気に入りの場所を思い出すことがある。
新しい環境は、新鮮さと同時に、思っていた以上に慣れるまでのエネルギーを必要とするものなのだと実感した。
特にこの夏は暑さも厳しく、外へ出るだけで体力を奪われる。
環境の変化は、体だけでなく心にも少しずつ影響している気もする。
旧友との再会が、心を少し軽くしてくれた
そんな中、下関へ足を運ぶ機会があった。
南米から帰国した友人家族と久しぶりに再会し、およそ10数年間の近況を語り合った。
この10数年の間に、お互いの人生には良い変化もあれば、決して望んだわけではない変化もあった。
聞くと、私が数年間暮らした、どこか懐かしい南米の街も少しずつ姿を変えていた。
そんな時間の流れを、感情も含めて飾らず話せたのは、長い付き合いだからこその安心感だった。
人とのつながりは、途切れたように見えたり、目に見えないように思えたりしても人生を支えてくれているのだと改めて感じた。
博多祇園山笠で気づいた「時間の自由」
その後、以前の職場でお世話になった方とも再会し、
2016年にユネスコ無形文化遺産に登録された博多祇園山笠の最終日を見に行った。
早朝5時から始まる祭り。熱気と高揚感。
会社員だった頃なら、平日ど真ん中の早朝にこの場へ、ふらっと思いつきで来ることはできなかった。
退職したからこそ見ることができた景色。
たしかに、収入は減りました。
でも、「時間を自分で選べる」という自由は、会社員時代には得られなかった。
退職によって失ったものばかりではなく、新しく手に入れたものもある。
そのことに気づけた一日でした。
地方都市へ戻ると、現実も待っていた
旅から戻ると、待っていたのは現実です。
ハローワークでの手続き。
職業訓練校への願書。
来週予定している富士山登山のための事前学習や修了テスト、そして入山料の支払い。
どれも必要なことなのに、不思議と気持ちが乗らない日がある。
35度を超える暑さの中、公共交通機関を待っているだけで疲れ切ってしまい、
帰宅すると昼寝をしてしまうこともあった。
でも、
「今日は何も進まなかったな。」
そんな日があってもいいのかもしれない。
自由になったからこそ、時間との向き合い方を学んでいる
会社員だった頃は、「時間が足りない」と思っていた。
今はその逆です。
時間はある。
でも、その時間をどう使うかは、自分で決めなければなりません。
退職とは、「時間を手に入れること」だけではなく、「時間を設計すること」でもある。
そんなことを、この2か月で少しずつ学び始めています。
おわりに
来週には失業給付について一つの区切りがあり、その後は職業訓練校への応募も進めていく予定です。
その前には、10数年ぶりに富士山にも登ります。
まだ何かを成し遂げたわけではありません。
むしろ、今は人生を組み立て直している途中です。
だからこそ、この過程も残していこうと思います。
焦る日もある。
地方都市での暮らしも、第二の人生も、まだ始まったばかりだ。
SNSを開けば、自分よりはるか先を歩いているように見える人たちがたくさんいる。
そんな人たちと比べて、「私は何もできていない」と思ってしまう日もある。
でも、冷静に考えてみれば、その人たちにも何年もの積み重ねがある。
私はついこの間まで会社員だった。
第二の人生は、まだようやく歩き始めたばかり。
比べる相手は、誰かではなく昨日の自分、一年前の自分なのかもしれない。
数年後、この文章を読み返したとき、「あの頃はいろいろ悩みながらも、一歩ずつ前へ進んでいたんだな」と笑って振り返ることができたら、それだけでこの記事を書いた意味があるような気がしている。
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環境を変えたいのか、それとも人生を変えたいのか。
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