高齢者ドライバー問題を他人事と思っていた私が父に置き去りにされるまでの体験をまじえ、今日は下記の内容をふまえ、お伝えしようと思います!
高齢の両親と離れて暮らすみなさん、こんな心配や不安はありませんか?
・70歳以上の父や母がいる。
・父は母は周りに頼れる人が少ない。
・生活のためには車がないと生活できない地域にいるため、自動車は必要だけども、高齢者のため運転スキルに問題はないのか、一抹の不安がある。
・高齢者の自動車免許の更新って?基準を詳しく知りたい。
では本文にいってみましょう!
父よ、なぜ私を置いていった!? 74歳、高齢ドライバーのリアル
3連休明けの平日に1日有給をくっつけ、遠く離れた両親の実家に遊びに来ていたときのこと。
周囲は温泉が点在するエリアのため、実家に遊びに来ると1日1回はかけ流しの温泉に癒されに行きます。
今日もお昼から温泉に入りに、車で15分離れた温泉施設に行きました。

その帰りにスーパーに寄ってアイスを買おう!ということで近所の大型スーパーに寄りました。
両親と私の3人で買い物を済ませ、3人で車に戻りました。
私がドアを開け乗り込もうとしたとき、うっかりスマホを駐車場に落としてしまいました。拾いあげ、顔を上げたところ、乗り込もうとした車が発進しました。
後部座席のドアも開いていたのですが、発進の衝撃でバタンと閉まり、隣の車に傷をつけることなく無事に何事もなく発進できていました。

何事があったのは、娘の私の方で、一人駐車場にポツンと残されてしまいました…。
父の発進した方向にとことこと歩いていくものの、父が運転する車は速度を緩める気配もなく、娘を乗せていないことに全く気付かず、さっさと道路に出て行ってしまいました!
「ええええええ!!!!!冗談ではなく、本気で取り残された!!!???」
という思いが頭を巡りましたが、さすがに助手席に母も乗っていたので、発進してしばらくしたら、娘が乗っていないことに気づくだろうとタカをくくっていました。
しかし、母と父の2人のスマホに電話とLINE通話でかけまくりましたが、反応なし。完全無視です。

まさかの展開!親の運転でスーパーに行ったら歩いて帰ることに
仕方ないから歩いて帰ろうと、とことこ歩き出しましたが、気になるのは、
「ちゃんと後部座席のドア閉まってるかな」
「運転してる途中で半ドアで開いたりしたら危ないな」
「運転中に私がいないことに気づいてスーパーに戻っても、帰宅ルートはたくさんあるから会えないかもしれないな」
という心配。心配しながら帰宅し、最初に目に入った光景は、

父が上機嫌で車をピカピカに掃除している姿!!! でした。
なんということでしょう。
家に着いても私を乗せずに帰宅したことにすら、両親ともども気づいていなかったのです!!!

他人事と思っていた!高齢の親の運転に潜む意外な危険
帰宅し、両親に聞いてみると
父:「妙に気配を感じないとは思った。」
母:「透明人間みたいに静かだったよ。」
それはそうでしょう。後部座席に乗せたと思っていた娘はスーパーに置き去りにされていたのですから!!!
自宅に到着したときに私がいないなとふと気づいた父が「娘はどこに行ったのか」と母に聞くと、母は「梅の花を見たいと言っていたから近所に見に行ったんじゃないの。」と答えたそうです。

うちの母はやや天然なところがあります。さすがうちの母…!!!年齢を重ねるごとに天然に磨きがかかり、ここまでくると感服いたします…!!!!
娘をスーパーに置き去りにしたことや自宅についてからも娘がいないことに気づかず、「梅を見に行ったからいない」という不思議な発言…。
「いったいどこで降りたと思ったの?」と母に聞いたところ、「それには気づかなかった」と言っていました(苦笑)
そもそも乗ってないんだから降りれないし(笑)
そうか、これが親が高齢者になるということか…!!!と洗礼を受けた気持ちになりました。

親の運転を見直すタイミングとは? まさかの『娘置き去り事件』を考察
恐らく、もし父の健康状態として、目がよく見え、耳もよく聞こえ、確認作業を怠らなければ今回の事件は起きなかったと思います。
そこで考察です。
父の要素:
・元来せっかちな性格
70を過ぎてからせっかちに弾みがつき、さらにせっかちになっていることは否めません。
せっかちがたたって、周囲を確認せず、出発してしまったのだと思います。
通常、発進する場合には後部座席も確認できるバックミラー、サイドミラーなどを確認、念のため目視で後方も確認すると思いますが、その一連の動作を省いたことが考えられます。

・63歳の時にメニエールを発症、そして難聴へ
63歳のときから耳の聞こえが悪かったのですが、数か月前難聴がさらにひどくなりました。耳の聞こえは本人の感覚で45%ぐらい聞こえているそうです。
数か月前にアップルのAirPods Pro 2を購入、装着時には75%程度聞こえている感覚があるそうです。AirPods Pro 2はiPhone連携型で聴覚の健康をサポートしヒアリングの補助をする機能がついていますので、中等度までの難聴であればヒアリング時補助されるということで購入しました。
しかし、ヒアリングの機能は十分ではなく、父の場合ですが、騒がしい場所や後方の音は聞こえにくく、後ろから話しかけられても全く気付かないです。
今回私は後部座席に乗っていたため、父からは後方のドアにあたり、聴覚をたよって開閉音から乗車の確認ができなかったと推察されます。

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フォナックという耳かけ型の補聴器を父はお試して付けたことがありますが、片耳26万円程度のもので、父の場合は聞こえは85%ほど良くなるということでした。でもAirPods Pro 2と同じように、父の場合は後ろから話しかけられても聞こえないということでした。よかったらご参考に。
・眼鏡を使用している
老眼もあり眼鏡を使用しているため、フレームの外側は見えていない可能性があります。視野の広さが180°もないため、目の端で後部座席の人物を確認できなかった可能性があります。

・判断力や確認能力の低下
目に入った情報は、脳で処理されますが、判断したり、危険を予知する能力が落ちているのかもしれません。
危険を予知するためにどんな情報が必要なのかと思いつく脳の働きが弱くなって周囲の確認を怠るという行動につながるのかもしれません。
今回の事件を受け、父は深く反省し、「自分が恐ろしい」と言っていました。
当たり前にできていたことが気づかないうちにできなくなっていく感覚、自分の能力が失われていく感覚、それが「恐ろしい」という強い言葉に詰まっているのだと感じました。
父にとってもかなりショッキングな1日になったと思います。
発見!JAF 70歳以上の高齢者に向けた免許更新に関するHPがわかりやすい!

高齢者の免許の保有に関して、気になったので調べてみました。
下記のJAF エイジド・ドライバー総合応援サイトが一番わかりやすいと感じたのでご紹介します。
こちらに高齢者ドライバーの免許更新について詳しく載っていたので、気になる方はぜひ見てみてくださいね。
現在、70歳以上の運転免許保有者は免許証の更新時に「高齢者講習」を受講しなければなりません。
講習では視力や運転操作に問題がないか確認したり、運転スキルや知識の認識と理解を深め、安全運転に生かすことを目的としているとのこと。
75歳以上の方が免許証を更新する場合には、高齢者講習と認知機能検査を受けなければなりません。
認知機能の検査は記憶力や判断力等の認知機能を簡易な手法で調べるそうです。
75歳以上で一定の違反歴がある方は運転機能検査も受検しなければならないが、この検査は更新期間中は何度でも受けられるとのこと…。
ただ、2022年以前よりは免許更新の難易度は上がっているため、十分かは議論が必要なのかもしれませんが、免許更新の際にきちんと認知機能を検査してもらえる安心感を感じました。

まとめ
私は父の難聴に気づいたとき、すぐに補聴器屋さんと電気屋さんに行き、対策を考えました。文明の利器で少しでも生活の質があがるなら積極的に利用すべきだと思っています。
ただ、父も母も耳や目の調子が悪いと気づいていたが、どうしたらいいかわからなかったと言っていました。高齢者同士ではどう解決したらいいか、良くわからないことがあるんだと感じました。
運転のときの注意力や判断力をサポートし追突事故を予防するために、父には追突防止やはみだし防止等のサポート機能が付いている車に乗ってもらっています。
自動運転の機能が早く開発され、法律も整備され、高齢者の移動を安心安全にしてくれればと願います。

今回のことを受けて、高齢の親を持つことは、日々衰えていく親の姿を確認することなのだと感じました。
私は両親にとって初めてのこどもでした。試行錯誤の子育ての中、不器用ながらも愛情をたっぷり注いでもらったと思っています。
それほど裕福な家庭ではなかったと思いますが、両親ができることはすべてしてくれました。無条件にこんなに愛してくれる人は、世の中どこを探してもいないと感じます。
こんな両親の元に生まれて来られたことを心から感謝しています。

子どものころの記憶にある若かった両親がどんどん歳を取って、できていたことができなくなっていくのを見るのは寂しい気持ちもあります。
でも、だからこそ、できなくなっていく姿をできるだけ近くでちゃんと見ていきたいと思います。
それは娘にできる唯一の事だと思うからです。
私の場合、都会に仕事があり、両親の家は遠いため2-3か月ごとに会うのが精一杯ですが、できるだけ連絡を取って、可能な限り見ていきたいと思っています。
老いていく両親をできる限り近くで見ていくことが、高齢者のドライバーの事故防止にもつながると信じています。
親と離れて暮らす方々へ、「親孝行をしようと思った時には親がいない」という後悔がないように過ごしてくださいね!!
それでは、今日はこのへんで。chau!!!

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