送別会に違和感を感じた理由|仕事を辞めると決めた静かな瞬間|感受性|再選択編①

HSPの仕事観

「感受性の高い人の仕事の見え方」シリーズ 第三部 再選択編 第1回

送別会のあと、強い違和感が残った。

仕事を辞めると決めた理由が、
そのとき、少しだけはっきりした気がした。


この「感受性の高い人の仕事の見え方」シリーズでは、
職場の中で、人の感情や空気の変化に気づきやすく、
気づかないうちに多くを引き受けてしまう人の体験を扱っています。

一般的にはHSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれることもありますが、
本シリーズでは、性質を分類することよりも、
「なぜ、優しい人ほど職場で静かに消耗していくのか」
という構造そのものを見つめていきます。


第三部|再選択編

ここからは、
“戻れなくなったあとの話”になります。

第一部では、
なぜ優しい人ほど職場で消耗していくのかを、
組織の構造から見てきました。

第二部では、
その中で自分を守りながら、
少しずつ働き方を立て直していく過程を辿ってきました。

そして第三部では、
その場所にとどまることを前提にするのではなく、

「どこで、どう生きるのか」を選び直す過程を扱います。

環境を変えることは、
単なる逃げではありません。

けれど同時に、
簡単に正解が見つかるものでもありません。

ここでは、
仕事、場所、人間関係——
これまで当たり前だと思っていた前提を、
ひとつずつほどきながら、

「自分にとって無理のない生き方とは何か」を
静かに確かめていきます。

これは、劇的な変化の記録ではありません。

小さな違和感に従って、
少しずつ選び直していく過程の記録です。

ここからは、
少しだけ現実に近い話になります。

どこから読んでも大丈夫ですが、最初から読むと流れがわかります

はじめに

私は生まれた故郷に戻る。

そう話すと、ほとんどの人に同じことを聞かれた。
「帰って、何するの?」

自分でもうまく言葉にできなかった。

ただひとつだけ、
はっきりしている感覚があった。

「このままここにいたら、ずっと気を張ったまま生きることになる」
という感覚だった。


戻りたい場所には、もう誰もいない

小学生のころ、離れたくなかったのに引きはがされた土地に、私は戻る。

もう、あの頃心から会いたいと思っていた家族はいない。
懐かしい人たちは、亡くなったり、それぞれの人生を歩んでいる。

大好きだった親友も、都会に出て結婚し、
すっかり母としての生活を送っている。

私が恋しくて仕方なかった人たちは、
もう、だれも、あの場所にはいない。

それでも、
戻りたいと思った。

都会で生きるということ、田舎で生きるということ

大人になって、
どこに住むかを自分で選べるようになってからも、

私はずっと、
両親の近くや、
高校や大学を過ごした土地の近くにいたほうがいいような気がしていた。

都会は、人に無関心で、
何をしていてもあまりとやかく言われない。

その距離感は、確かに楽だった。

一方で、田舎は違う。

レッテルを貼られないように、
はみ出さないように生きる必要がある。

ある程度、自分のプライバシーを差し出すことで、
ようやく地域に受け入れられるような感覚もある。

その感覚は、今もあまり変わっていない。

安心していた記憶だけが、体に残っている

私は小学生のころに都会へ移り住み、
それからずっと転校ばかりだった。

大人になってからも、
なんとなくいつも、
どこかで気を張って生きてきた気がしている。

唯一、それが必要なかったと、
体が覚えている場所がある。

それが、
生まれてから幼少期まで過ごしたあの土地だった。

懐かしく思い出すと、
少し苦しくなるのに、

同時に、
一番安らいで過ごしていた感覚も残っている。

送別会という通過儀礼の中で感じた違和感

送別会があった。

場は穏やかで、
会としてはきちんと成立していたと思う。

ただ、
いわゆる「労いの言葉」は、
ほとんどなかった。

誰か一人が、
これまでのことに触れてくれたときだけ、
周りが大きく頷いたり、
強く同意する空気が一瞬だけ生まれた。

でも、それは長くは続かなかった。

すぐに場は元の空気に戻り、
当たり障りのない会話が続いていく。

まるで、
そこに触れすぎてはいけないものがあるかのように。

——

そのとき、私は少しだけ違和感を覚えた。

「何も問題はなかったこと」にされているような、
でも確かに、何かはあったはずなのに、
それには誰も言葉を与えようとしない。

労いがなかったことそのものよりも、
“触れられなかったものの存在”の方が、
静かに引っかかっていた。

——


この違和感の正体について、
もう少しだけ具体的に書こうとすると、

どうしても、
個人や組織の輪郭に触れる部分が出てきてしまいます。

そのため、ここから先は有料記事とさせてください。

この先では、
・なぜあの場で言葉が止まったのか
・組織の中で「触れてはいけないもの」が生まれる構造
・そして、その中で自分がどう感じ、何を選び直したのか

を、できるだけ言葉を濁さずに書いています。

静かに違和感を抱えたことがある方には、
どこかで重なる部分があるかもしれません。


感受性は、使い続けるだけではなくて、
置く位置を変えるタイミングもある。

次回は書けなくなった状態を通して、その感覚を少し整理してみました。


🌿あわせて読みたい

生まれた土地の空気と、穏やかな記憶が重なるとき、
人は直接影響を受けている自覚がなくても、
どこかで静かに変わっていくことがある。


自分が静かに変わるとき、
それまで当たり前だった環境に違和感を覚える。


▶【「感受性の高い人の仕事の見え方」シリーズ全話一覧はこちら】


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この記録の意味でした。

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