【第一部|組織編・第9回】感受性の高い人の仕事の見え方:会議で主導権を握りたがる人の心理

仕事と心ー感受性が高い人/低い人

― 声が大きい人ほど「不安」を抱えていることがある ―

第一部|組織と依存の構造
「感受性の高い人の仕事の見え方」シリーズ

※この記事は
「感受性の高い人の仕事の見え方」シリーズの第一部 第9回です。

▶ 第1回|やさしくて仕事のできる人ほど、会社で静かに消耗する
▶ 第2回|感受性の高い人と低い人の働き方の違い ― 過去・現在・未来の視点から考える ―
▶ 第3回|抽象思考の人ほど、職場で消耗していく理由―「翻訳役」になってしまう構造―
▶ 第4回|記憶力がいい人ほど、職場で消耗していく理由―「説明係」になってしまう構造―
▶ 第5回|危険を読む人ほど、前に出られなくなる
▶ 第6回|同じ職場なのに、なぜこんなにしんどいのか
▶ 第7回|なぜ組織は「見ないふり」をするのか
▶ 第8回|感情で職場を支配する人に、なぜ私たちは消耗するのか


このシリーズでは、
「なぜ、優しい人ほど職場で消耗していくのか」をテーマに、
実体験と心理構造の両面から掘り下げています。

第一部では、組織・人間関係・依存構造の問題を分析し、
第二部では、自分の人生を取り戻すための視点を整理していきます。

読み進めることで、
「我慢するしかなかった自分」から、
「選び直せる自分」へ変わっていくことを目指しています。このシリーズでは、
「感受性が高く、まじめで、仕事に誠実な人」が
なぜ職場で消耗しやすいのかを、構造的に書いています。

はじめに

会議のたびに、

  • 声が大きく
  • 話を遮り
  • 自分の意見だけを通そうとする人

に疲弊した経験はありませんか?

今回は、私自身の経験をもとに、

「なぜこうした人が生まれやすいのか」
「その場にいる“調整役”はどう消耗していくのか」

を整理してみたいと思います。

会議を支配したがる人の特徴

私が関わったあるプロジェクトでは、 いつも発言量の多い人がいました。

  • 声が大きい
  • 話すスピードが速い
  • 沈黙が苦手
  • 他人の話を待てない

一見すると、 「積極的で頼れる人」に見えます。

しかし、よく観察していると、 そこには別の側面もありました。

  • 不安が強い
  • 自分の立場を守りたい
  • 変化によって評価を失うことに敏感

“支配”は、実は防衛反応であることも多いのです。

会議の主導権=自分の安全地帯

になっている状態です。

変化が起きると、抵抗が強くなる理由

このときのプロジェクトは、 従来のやり方を大きく変えるものでした。

長年続いてきた紙中心の管理から、 デジタルシステムへ移行する試みです。

こうした変化の場面では、 どうしても不安が生まれます。

  • 慣れた方法が通用しなくなる
  • 前年踏襲型でないため、自分の経験が活かせない
  • 評価が下がるかもしれない

その結果、

「慎重さ」という形を取りながら、

実質的には“現状維持”を守ろうとする動きが強く出ます。

特に大勢が紙での管理しか経験していない場合は、
理屈としては正しそうに聞こえるため、 周囲も反論しづらくなります。

「権威」に寄りかかる心理

会議では、 専門性の高い人や肩書きのある人の意見が、
大きな影響力を持つことがあります。

不安が強い人ほど、

「自分で考える」よりも 「権威ある意見に従う」 ほうが安心できる傾向があります。

その結果、

  • 特定の意見だけが強調される
  • 別の視点が入りにくくなる
  • 議論が硬直する

という状態が生まれます。

会議は「能力」より「性格」が出る場所

会議で見えるのは、
仕事力よりも人間性です。

・不安が強い人 → 話し続ける
・自信がない人 → 支配する
・誠実な人 → 聞く
・成熟している人 → まとめる

つまり

会議は、心のクセが丸見えになる場所。

だからこそ、
感受性の高い人は消耗しやすいのです。

調整役が抱える見えない負担

こうした場面で、 自然と“間に立つ人”が生まれます。

  • 話を整理する
  • 空気を和らげる
  • 衝突を防ぐ
  • 全体を前に進める

私は当時、 実質的にこの役割を担っていました。

表には出にくいですが、 この立場はかなり消耗します。

なぜなら、

誰の味方でもいられない」 「すべてを背負いやすい」 からです。

なぜ優しい人ほど巻き込まれるのか

調整役に選ばれやすい人には、 共通点があります。

・感情をコントロールできる
・相手を否定しない
・責任感が強い
・最後まで投げ出さない

周囲から見ると「安心な存在」です。

しかしその分、 無意識に負担が集中します。

「この人なら大丈夫」 が積み重なると、
いつの間にか限界を超えてしまいます。

個人の努力だけに頼らないために必要な「仕組み」

ここまで読んで、

「じゃあ、結局は自分が境界線を引くしかないのか」

と思った方もいるかもしれません。

でも、本当はそれだけではありません。

問題は、個人の性格ではなく、
組織の設計にあります。

海外では、重要なプロジェクトほど、
Steering Committee(意思決定委員会)」を設けて、
現場が一人で抱え込まないように設計されています。

この委員会には、

・経営層
・部長クラス
・意思決定権を持つ人

が入り、

✔ 方針の確認
✔ 対立の調整
✔ 最終判断
✔ 停滞時の後押し

を担います。

つまり、

「現場の優しい人に全部背負わせない」

ための仕組みです。

これがない組織では、

判断できない人は考えなくなり、
声の大きい人が主導権を握り、
誠実な人だけが消耗します。

それは、個人の問題ではなく、
構造の問題です。

最後に:あなたは「優秀すぎる側」です

もし今、

・疲れている
・責任が重い
・評価が釣り合わない

と感じているなら、

それは失敗ではありません。

あなたが、
支えすぎているだけです。

あなたは、

問題を見抜ける人
空気を整えられる人
現場を崩さない人

です。

その力は、本来もっと正当に使われていい

問いかけ

もしあなたも、

・会議で声の大きい人に疲れてしまった
・話を遮られて、何も言えなくなった
・「私がおかしいのかな」と悩んだことがある

そんな経験があったら、
それはあなただけではありません。

よかったら、
あなたの感じたことも、そっと教えてください。

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